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放影研統計部は、日本では数少ない、生物統計学(biostatistics)を専門とする研究グループです。統計学的側面から放影研の研究をサポートするとともに、環境リスク評価や放射線リスク解析に応用できる方法論の基礎研究を行っています。長年蓄積してきた経験や技術、そして最新の方法論に基づいた放射線リスク評価推定は高く評価され、国際的な放射線防護基準に用いられています。
統計部は、他の部の研究員と共同で研究の企画および解析を行うことにより、放影研の研究活動全般に対して統計学的な支援を提供しています。
また、原爆被爆者のデータ解析過程で生じる重要かつ困難な統計学上の問題の多くについても研究を行っています。現在、統計部が特に関心を持っている問題には次のものが挙げられます。
生存データ(すなわち経時的がん死亡率データ)解析のための統計学的手法、モデルならびにソフトウェアの開発、多くの場合微妙で複雑な被爆者に見られる放射線影響の本質を明確かつ有用に概要説明するための手法の開発、被爆者が受けた放射線量の推定における誤差がリスク推定に及ぼす影響の評価およびその調整、放射線影響の証拠と考えられる多くの生物学的指標に見られる、過度に分散されたデータの解析、臨床調査により得られた経時的データの解析手法の開発ならびに応用、家族調査の企画および解析、そして放射線に起因する突然変異の形跡をDNAレベルで発見しようとする場合のパターン認識の問題などです。
統計部はまた放射線量推定方式の管理にも携わっています。 この作業に含まれるものは、線量推定に用いられるデータおよびコンピュータ・プログラムの編成および管理、そして放影研の研究対象者である被爆者の線量推定値の計算です。
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2008年度の研究成果ハイライト
放射線研究およびリスク評価の継続
胎内被爆者の白内障・心臓血管疾患・甲状腺疾患のリスク評価を最近実施している。個人データを用いてリスクを推定するためのベイズモデル適用法を引き続き開発中である。地理空間ホットスポットに関する研究が開始され、これにより現在のリスクおよび因果モデルでは示されない、疾患発生における空間パターンを検出するための方法が開発できる可能性がある。シグナル処理におけるスペクトル・デコンボリューションを用いた歯エナメル質の原爆放射線量の測定と計算、電子スピン共鳴(ESR)測定に関する放影研データの解析、更に歯の線量を算出するためのDS02の拡張に関して新たな研究を開始した。
方法論
がんおよび白血病発生の2段階クローン性拡大(TSCE)モデルに焦点を当てた、発がん機序モデルに関する外部共同研究に参加している。放影研と久留米大学の共同研究に関する合意に基づいて、AHS対象者における放射線・炎症マーカー・術後白内障罹患率の因果関係を究明するために混合モデルを当てはめる研究を継続している。放射線の影響と重要なリスク因子間の相互作用を検出するため放影研の統計デザインの検出力を高めることを目的として、リスク・セットに基づく対象者の選択とカウンター・マッチングによるコホート内症例対照研究も実施している。 |
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統計談話会・セミナーのお知らせ
資料
リンク
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Harry M. Cullings (部長代理)
放射線量推定、生物線量推定および線量の不確実性
地理空間解析
放射線リスクモデル
統計的助言
中島 栄二 (副部長)
過剰分散
経時的データ解析の統計方法
コンサルティング
古川 恭治 (副主任研究員)
環境データの空間統計モデリングと解析
計算機統計手法
ベイズ統計モデルの疫学への応用
Wan-Ling Hsu (任期付研究員)
がんおよび心臓血管疾患における炎症性指標と放射線との関係
原爆被爆者における放射線と疫学リスク因子のリスク評価
臨床調査の応用統計解析
三角 宗近 (任期付研究員)
多変量生存時間データの解析法
多段階発がんモデル
コンサルティング
John B. Cologne (任期付研究員)
環境及び公衆衛生健康リスク評価における統計学方法
疫学コホート内の研究デザイン
原爆被曝者における健康影響研究(臨床・疫学)データ解析
原因確率
顧問
Donald A. Pierce
Dale L. Preston |
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